麻薬教育認定薬剤師認定制度
麻薬教育認定制度の目的
医療用麻薬は、がん患者を痛みから解放するなど緩和ケアにおいて必要不可欠な医薬品ですが、国民の医療用麻薬に対する誤解や偏見は未だ根強く残っており、医療用麻薬が必要な患者に行き届かないケースもあります。 一方、医薬品として承認された医療用麻薬であっても、万一、不適切に使用(乱用)されれば、その依存性や呼吸抑制等の重篤な有害作用が生じ、北米で社会問題にまで発展したオピオイド・クライシスに見られるような問題も引き起こしかねません。 本邦では、薬物乱用防止教育が浸透し、諸外国と比較すると不正薬物の乱用は抑えられていますが、予断は許さない状況にあります。
このように医療用麻薬を適正に使用すれば、優れた効果を示す薬剤であることを国民に広く理解いただく一方、不正薬物の乱用防止とともに、適正使用が重要であることもあわせて教育・普及することが必要となります。 このような医療用麻薬のベネフィットとリスクを広く教育・普及するには、医療用麻薬や不正薬物に関する深い知識を有し、各地域で国民の健康増進に活躍する本学会員こそが相応しいと考えられます。
そこで本制度は、青少年、学校関係者(教職員、保護者等)、患者/家族や地域の医療/介護スタッフなどに正しい知識を得てもらうため、 医療用麻薬の適正使用(ベネフィットとリスク)と不正薬物の乱用防止に関する深い知識と高い教育スキルを有する薬剤師を育成し、各地域で教育・普及活動を行うことを目的としています。
麻薬教育認定薬剤師が修得すべき知識と技術
・医療用麻薬の現状を深く理解し、そのベネフィットとリスクを正しく伝えられる。
・医療用麻薬だけでなく、不正薬物や薬物乱用の実態に関する知識も持ち合わせている。
・青少年、学校関係者、患者・家族等を含む地域住民や地域の医療/介護スタッフなどに、
それぞれのレベルにあわせて教育できる。