
薬局認証システム
在宅緩和ケア対応薬局認証事業の終了について
2025年7月1日
一般社団法人 日本緩和医療薬学会
理事長 成田 年
副理事長 小林 篤史
薬局認証システム委員長 前田 桂吾
拝啓 会員の皆様におかれましては時下ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
本学会では2022年度より、在宅緩和ケア対応薬局認証事業を展開いたしました。これは、在宅緩和ケアを志向する薬剤師・薬局に対し、本学会の科学的・倫理的知見や支援を提供するとともに、緩和医療を必要とする患者さんが質の高い緩和薬物療法を受けられることを目的としております。現在36薬局が認証を受けております。
本事業は一定の機能要件を満たした薬局を認証するものですが、会員資格を持たない「法人」に対し、当該薬局の緩和ケアに関わる質や機能を担保できないことから、理事会および社員総会での議論を経て 2024年8月に本事業を停止することが決定されました。これに伴い、「薬局認証制度の見直しについて」という文書を、2024年8月1日付で本ページへ掲載いたしました。
この文書では、薬局認証の見直しに加え、薬局薬剤師が認定を取得しやすい環境整備の検討をする旨を記載しておりました。その後、各委員会および理事会において、認定制度や薬局認証に関し、より深い議論を重ねた結果、2025年4月に、緩和薬物療法認定薬剤師 新規申請要件を改定することを発表いたしました。病院薬剤師と薬局薬剤師とでは、緩和医療領域における臨床業務の違いがある中で、それらをいかに資格要件として問うか、またその質を担保するかについて、議論を尽くし、要件を見直した次第です。
この新規申請要件改定により、薬局薬剤師の資格取得を推進し、緩和薬物療法認定薬剤師所属薬局が在宅緩和ケアに対応可能である旨、地域に周知できると考えております。
従いまして、「在宅緩和ケアに対応できる薬局を広く周知する」という本制度の主要な目的は、今回の要件改定により一定の役割を果たしたものと判断し、本認証事業は 2025年8月31日をもちまして終了いたします。現在認証を受けている薬局については、認定期間終了日をもって認証終了となり、更新は行いません。
なお、本薬局認証の取得にあたり、「地域緩和ケアネットワーク研修」を受講された先生方もいらっしゃるかと存じます。病院薬剤師と薬局薬剤師の連携は、在宅緩和ケアを推進するうえで極めて重要であり、本研修は多くの知識と経験を得られる貴重な機会であったと考えております。また、緩和薬物療法認定薬剤師の申請においては、地域緩和ケアネットワーク研修中に行った症例発表を学会発表として、また、研修先病院での症例を症例報告として、それぞれ含めることが可能です。詳細は募集要項をご覧ください。
薬局薬剤師の皆様におかれましては、本制度の見直しにご理解を賜りますとともに、今後は緩和薬物療法認定薬剤師の資格取得を目指していただきますと幸いです。何卒よろしくお願い申し上げます。
敬具
在宅緩和ケア対応薬局
在宅緩和ケア総論