一般社団法人 日本緩和医療薬学会

menu

代表理事挨拶

代表理事近影

 

 

 

 

 

日本緩和医療薬学会代表理事 成田 年
星薬科大学薬理学研究室 教授 / 国立がん研究センター研究所

 この度、2023年6月より日本緩和医療薬学会の代表理事に就任しました成田年です。2007年、本学会の設立時に初代の事務局長(今はない職務)を仰せつかって以来、今日に至るまで、長きにわたって理事という要職に就かせていただき、微力ながら与えられた任務を遂行してまいりました。また、多くの代表理事のもとで副代表理事を務め、本学会の特徴である「薬薬学」の機能的連合というシステムのもとで、さまざまなことを体験、そして勉強させていただきました。

「緩和医療薬学」という学域がほとんど我が国において周知されていなかった設立当初、本学会の設立の基盤にある「緩和を科学する」という命題の難しさについて、私はリアリティーを持ってその本質を理解できていなかったのだろうと反省するとともに、未曽有のコロナ禍を経験した今、新たにその命題の奥深さと必要性を痛感している次第です。

 ゲノム医療や個別化医療が求められる次世代の薬物治療において、緩和医療薬学の進歩・充実化は不可欠です。こうした社会背景を鑑み、これからの2年間は、これまで本学会が培ってきた「社会に貢献する(社会に発信する)価値のある学会運営」を継続しながら、緩和医療のエビデンス構築を主眼とした学術団体としての発展を目指していきたいと考えております。そのためには、国際的視野に立った包括的緩和医療品情報の発信と基礎・臨床研究活動の推進、関連学術団体との強固な連携の実施、緩和医療薬剤師(認定、専門を含む)の教育体制の強化、地域医療連携における緩和医療薬剤師のプレゼンスの確立とシステム構築、そして原点回帰である「疼痛緩和の正義と必要性」の社会啓発活動を積極的に行っていく所存です。

 新しい組織体制では、これまでの委員会組織に加え、いくつかのタスクフォースを設け、以下のような役員と委員会構成にて学会運営を行ってまいります。

【役員・委員会構成】(2023・2024年度) ※敬称略
〇代表理事          成田 年
〇副代表理事         小林篤史、塩川 満、中川貴之
〇監事            鈴木順子、竹内尚子、的場元弘
〇理事
 病院(9名):伊勢雄也、伊東俊雅、岡本禎晃、金子 健、崔 吉道、
       塩川 満、高瀬久光、武田泰生、龍 恵美
 大学(6名):内田まやこ、国分秀也、徳山尚吾、中川貴之、成田 年、吉澤一巳
 薬局(4名):稲葉一郎、小林篤史、坂本岳志、前田桂吾
〇学会運営審議会       徳山尚吾(リーダー)
 (旧学会事業推進委員会)  伊勢雄也、伊東俊雅、稲葉一郎、小林篤史、塩川 満、
               中川貴之、成田 年、的場元弘(メンバー)
〇総務委員会         岡本禎晃(委員長)、藤田和歌子(副委員長)
〇倫理・利益相反委員会    溝口広一(委員長)
〇財務委員会         稲葉一郎(委員長)、坂本岳志(副委員長)
〇地域連携委員会       小林篤史(委員長)、崔 吉道(副委員長)、
               鈴木順子(アドバイザー)塩川 満(オブザーバー)
〇広報委員会         坂本岳志(委員長)、宇野達也(副委員長)
               廣橋 猛(アドバイザー)
〇認定薬剤師制度委員会    吉澤一巳(委員長)鍛治園誠、土井真喜(副委員長)
               内田まやこ、高瀬久光(アドバイザー)金子 健(オブザーバー)
〇専門薬剤師制度委員会    高瀬久光(委員長)宮部貴識(副委員長)
               内田まやこ、吉澤一巳(アドバイザー)金子 健(オブザーバー)
〇麻薬教育認定委員会     金子 健(委員長)、田口真穂(副委員長)
               吉澤一巳(アドバイザー)
〇薬局認証システム委員会   前田桂吾(委員長)、天方奉子(副委員長)
               稲葉一郎、岡本禎晃、竹内尚子(アドバイザー)
〇教育研修委員会       内田まやこ(委員長)、壁谷めぐみ、矢野琢也(副委員長)
               高瀬久光、中川貴之、吉澤一巳(アドバイザー)
〇編集委員会         伊勢雄也(委員長)、佐藤淳也(副委員長)
〇研究推進委員会       国分秀也(委員長)、横山晴子(副委員長)
               青山隆彦(アドバイザー)
〇保険制度委員会       伊東俊雅(委員長)
〇関連学会連携委員会     武田泰生(委員長)、池田龍二(副委員長)
               成田 年(オブザーバー)
〇先端学術緩和医療薬学タスクフォース    高瀬久光(委員長)、内田まやこ(副委員長)
〇次世代緩和医療薬学提案タスクフォース   石原正志(委員長)、上島健太郎(副委員長)
〇国際緩和医療薬学関連開拓タスクフォース  中川貴之(委員長)、大澤匡弘(副委員長)
                      天谷文昌、成田 年(アドバイザー)
〇災害対策緩和医療薬学タスクフォース    金野良則(委員長)、鈴木順子(アドバイザー)

 委員会構成は、従来の継続的な枠組み(一部は名称変更)に加え、新たに関連学会連携委員会を設け、医療系の学会、病院薬剤師系の学会などと緊密な連携を取り、本学会の医療(薬学)系学会の中でのプレゼンスを強く示すことを目的として活動していただきます。また、先端学術緩和医療薬学タスクフォース、次世代緩和医療薬学提案(将来構想)タスクフォース、国際緩和医療薬学関連開拓タスクフォース、災害対策緩和医療薬学タスクフォースという4つのタスクフォースを新設いたしました。

 先端学術緩和医療薬学タスクフォースでは、学術年会や教育セミナーにおいて、トピックス性やニーズが高い学術的あるいは最新医療の話題について❝全体議論❞する企画枠を設定し、さらには年会などから、新しい次世代型研究ニーズの発掘および提案を行うことを主たる目的として活動していただきます。
 次世代緩和医療薬学提案(将来構想)タスクフォースでは、緩和医療の将来構想について議論することを目的として活動していただき、次世代の臨床研究の課題や意見集約の場として活用いただきたいと思います。
 一方、国際緩和医療薬学関連開拓タスクフォースでは、海外からの情報収集を行うために、会員の皆さまに国際学会に活躍の場を広げていただく機会を提案、設定していただきます。また、災害対策緩和医療薬学タスクフォースでは、災害時における緩和医療の在り方についてご議論いただき、新しい救急医療領域としての構築を目指していただきます。

 こうした新しい委員会やタスクフォースにおいては、学会の資産を有意義に活用していただき、積極的な活動を行っていただきたいと、大いに期待している所存です。さらに学会事業委員会は、現在は学会運営審議会と名称を変更して、委員会のまとめ役的な役割を果たしていただきたいと考えております。
 このように本学会も、次世代を見据えて新しい事業を展開してまいります。会員の皆さま、関係者の皆さまにおかれましては、こうした試みにご理解とご賛同をいただき、薬薬学連携の実現をスローガンに16年間先頭を走ってきた本学会に、引き続き、格別なるお力添えを賜りたいと思います。今後とも、なにとぞよろしくお願い申し上げます。

 

2023年8月吉日