年会案内・報告

第2回年会報告

第2回日本緩和医療薬学会年会を終えて

日本緩和医療薬学会は2007年3月に創立され、記念すべき第1回年会は星薬科大学毒性学教室教授の鈴木勉理事長が年会会長として同年10月に星薬科大学にて開催されました。

私は第2回年会長を拝命し、2008年10月18・19日にパシフィコ横浜にて開催させていただきました。年会のメインテーマを「緩和医療の知識・技能・態度をみがく」とし年会実行委員長は森田雅之先生(神奈川県病院薬剤師会会長)、プログラム委員長は第1回に引き続き亀井淳三先生(星薬科大学教授) にお願いいたしました。

年会前夜から教育セミナーを4テーマ、初日開会前の早朝から2テーマ計6テーマを企画しました。
さらに、7つのシンポジウム、7題のランチョンセミナー、コミュニケーションスキルアップのためのワークショップ並びにポスター展示、企業展示コーナーも併設企画しました。さらに2日の午後には緩和医療の普及・啓発のための市民公開講座を横浜市開港記念会館で開催しました。

一般演題251題、特別講演2題で、初日は緩和医療に携わる者にとっては神様のような存在であるオックスフォード大学名誉教授のロバート・トワイクロス先生をお招きすることができました。メインホールは通路まで聴衆で埋め尽くされ、「がん患者の症状マネジメント」について感動的な講演を拝聴できました。
また、2日目には朝日新聞社科学エディターの高橋真理子先生にご登壇いただき、緩和医療と薬剤師について熱いメッセージを頂戴いたしました。

今年会では、緩和ケアの普及・啓発活動として厚生労働省と日本緩和医療学会が中心となって2008年3月から展開されているオレンジバルーンプロジェクトを大きくとりあげ、「緩和ケアで苦痛を和らげ、笑顔をとりもどしてほしい」と願いをこめて、この事業に協力いたしました。その結果、薬剤師のみならず医師、看護師も多数参加され、2,200名を超える参加者を迎え、無事終えることができました。

第2回年会のメインテーマを「緩和医療の知識・技能・態度をみがく」とさせて頂いたのは、医療に携わる者の共通認識としてその生涯を通して知識の吸収、 そして技能の研鑽、とりわけ緩和医療に携わる者は医療に対する姿勢や態度が問われるからです。
また、今年会では緩和薬物療法認定薬剤師の認定制度がスタートし、2010年には緩和薬物療法認定薬剤師を誕生させることが公表されました。

日本緩和医療薬学会は、発足したばかりの若い学会です。ライフワークとしてがんの痛みで苦しむ患者さんと向き合い 、痛みから解放されるよう互いに研鑽を重ねていくことが、本学会設立の精神です。これからも一緒にこの学会を育てていきましょう。

最後に、年会開催にご後援をいただいた神奈川県はじめ各種団体、協賛をいただいた各企業、実行委員会ならびにプログラム委員会各位、特に本年会の参謀として全精力を注いでくれました大江洋一先生(済生会横浜市南部病院薬剤部)、年会期間中にご協力いただいた製薬企業各位、その他ご参加いただいた皆様に深謝いたします。

日本緩和医療薬学会副理事長
第2回日本緩和医療薬学会年会長
加賀谷 肇

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