学会概要

代表理事挨拶

日本緩和医療薬学会 代表理事 塩川満
社会福祉法人 聖隷福祉事業団 聖隷横浜病院 薬剤部長

 この度、2019年6月より日本緩和医療薬学会の代表理事に就任しました塩川満です。

 2007年3月に設立された本学会は今年で13年目を迎え、2019年6月現在4,000名を超える規模となりました。本学会は2007年4月に「がん対策基本法」が施行された年に設立され、社会では「がん患者及びその家族の苦痛の軽減」「がんと診断された時からの緩和ケア」が挙げられ、緩和ケアチームの設置や緩和ケア提供体制が整備され2008年には緩和ケアチーム加算の算定要件に薬剤師が加わり、緩和医療の領域で薬剤師が認識されました。
 そのような社会背景の中、本学会は、保険薬局薬剤師、病院薬剤師および大学等で研究に関わる者が連携し、緩和医療における薬剤師の資質向上と緩和医療薬学の普及を目的に活動を行って参りました。2010年から緩和薬物療法認定薬剤師を認定し、2019年6月現在722人の認定薬剤師が全国の病院・在宅の緩和医療チームで活躍し、患者さんや医療従事者から高い信頼を得ています。しかし、緩和医療に関わる全ての施設へ薬剤師活動は普及しているわけではなく、薬剤師活動の均てん化が求められているのが現状です。
 また、国立がん研究センターは2018年12月25日に、がん患者の約4割が、死亡前の1カ月間、痛みや吐き気、呼吸困難などの苦痛を訴えていたとする患者遺族への調査結果を発表しました。これは2018年2月〜3月に約4,860名に行ったアンケート結果です。この結果は何を意味しているのか、まだまだ緩和医療が十分に普及できておらず、患者さんへ医療者が関われていないことが明らかになったという、緩和医療に携わる者にとっては非常に厳しいデータでありました。様々な要因があろうかと思いますが、難治性の取り切れない痛みや症状が存在しているという事実でもあろうかと思います。薬剤師が臨床でつらい症状を持つ患者さんへもっと関わることができていたら、少しでもつらい症状は軽減できたかもしれません。
 本学会は13年目という節目で、新しい理事による新体制がスタートしましたが、この新しい体制は「痛みなどのつらい症状をなくすこと」という使命を持ち、学会運営を行う所存です。
 学会の方針として、今まで以上に「社会に貢献する(社会に発信する)価値のある学会運営」を目指し、学会が果たすべき役割を明確にし、10年後、20年後と先を見据えた活動計画・運営が必要です。具体的な項目としては、「現場の薬剤師を育成すること(教育事業)」と、現場に反映する「研究活動のさらなる推進(研究推進事業)」の2事業を大きな柱とし、緩和医療薬学の普及に努めたいと考えます。また、社会に貢献する薬剤師を輩出するために、今まで検討されていた「専門薬剤師制度事業」を早期に開始し、それをフォローするため「LMS(学習管理システム:Learning Management System)を使った教育事業」を整え、薬剤師の資質の向上や薬剤師業務の確立を行います。
 学会運営方法は、今回新たに「学会事業委員会」を設置し、今までの事業を見直し、新しい事業計画を立て、理事会が中心となり、会員と情報共有し学会運営を行います。各委員会と密に連絡を取り、長期目標、中期目標、年次目標を設定し、執行部が代わろうとも運営を継続できる組織体制を構築したいと思います。
 組織体制は、以下のような役員と委員会構成にて行います。
【役員・委員会構成】
〇代表理事        塩川満
〇副代表理事       成田年
〇業務執行理事      伊勢雄也、上園保仁、木村健、徳山尚吾
〇監事          加賀谷肇、鈴木順子、的場元弘
〇理事
 病院:伊勢雄也、岡本禎晃、金子健、木村健、佐藤淳也、塩川満、千堂年昭
 薬局:稲葉一郎、坂本岳志、萩田均司 
 大学等の研究者:上園保仁、大澤匡弘、徳山尚吾、中川貴之、成田年、溝口広一

〇学会事業委員会      伊勢雄也(委員長)
〇総務委員会        徳山尚吾(委員長)
〇財務委員会        木村健 (委員長)
〇倫理・利益相反委員会   千堂年昭(委員長)
〇広報委員会        坂本岳志(委員長)
〇専門・認定制度委員会   岡本禎晃(委員長)
〇試験委員会        金子健 (委員長)
〇教育研修委員会      中川貴之(委員長)
〇編集委員会        溝口広一(委員長)
〇研究推進委員会      佐藤淳也(委員長)、上園保仁(副委員長)、萩田均司(副委員長)
〇健康保険・介護対策委員会 稲葉一郎(委員長)
〇知的財産委員会      大澤匡弘(委員長)

 今までより若手中心の組織になるため、果たすべき役割を明確にし、一歩ずつ着実に進めることが私に課せられた役割と思っております。そのためには、会員の皆様、関係者の皆様の協力なくしては進めることはできません。何卒、ご協力の程、よろしくお願いいたします。「明るく、楽しい学会運営」を心掛け、多くのつらい症状を持つ患者さんの笑顔に出会えるよう精進して参ります。
 忌憚のない会員の皆様のお声をお聞かせください。どうぞよろしくお願いいたします。


2019年6月12日

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